近年、SlackやLINE WORKSといったビジネスチャットツールが普及し、社内コミュニケーションの非効率問題が解消され始めています。
会議や打ち合わせの時間が減り、効率の良い情報共有ができる便利な時代になりました。
しかし、ビジネスチャットツールを導入するだけで業務が効率化するわけではありません。
ツールをしっかり使いこなせなければ、結局口頭で伝える二度手間になってしまったり、タスクが計画通りに進まないなんてこともあります。
そこで今回は、私が実際に体験したビジネスチャットツールの悪い例を3つ見ていきましょう。
※今回は国内シェア率No.1の「Chatwork(チャットワーク)」使用時を例とします。
グループが多すぎる
部署やプロジェクトごとにチャットを行うことができる「グループ機能」はとても便利な機能ですが、使い方を間違えると大変効率の悪い情報共有をしてしまうことになります。
問題となるのは、グループが多すぎることです。
部署やプロジェクト、社内全体グループなどを含めて理想は10グループ以内です。
私がいた職場では、40以上のグループが存在し、毎朝見るのがかなりしんどかったでした。
よく使われるグループはある程度決まってはいるものの、それでもスクロールして確認するのは面倒極まりません。
しかも、正直自分は見なくてもいいようなグループにも入れられてたので、業務効率化ツールであるビジネスチャットが、むしろ効率を悪くしていました。
そんなある日、とあるタスクを振られた際に何のことか聞き返したところ「チャットをちゃんと読んで!」と怒られてしまいました。
確かにチャットをよく確認しなかった私が悪いのですが、読むグループが大量にあったせいで、チャットを読むというタスク自体が作業化し、流し読みしてしまうクセが付いてしまったのです。
情報が大量にあると、全てをしっかり把握するのは困難です。
また、気軽にコミュニケーションが取れる分、大量のグループから頻繁に来るメッセージに気を取られてしまい、業務に集中できず生産性が落ちてしまいます。
必要最低限のグループ数になるよう定期的にブラッシュアップし、いらないグループは随時消すか、別のグループと統合するようにしましょう。
誰にも指定せずタスクだけ追加する
時々、「このタスクやっといてー」とメッセージ相手を指定するTO機能も使わずタスクだけぶん投げる人がいます。
「いや自分でやれよ」っていう感情は100歩譲って抑えましょう。
こういったことをするのは、仕事の振り方が下手な人です。
最低限、タスクをやっておいてほしい場合は相手を指定してお願いしてください。
指定しないと誰もやりません。
結局チーム内で「このタスク誰やる?」というやり取りを行わなければなりません。
そのやり取りに伴い、投げられたタスクの遂行も遅くなってしまうでしょう。
タスクを投げた人はタスク完了が遅くてイライラ、タスクを投げられたグループも面倒な仕事が増えてイライラ、互いにまったく得がありません。
このやり取りは本当に無駄な時間なので、やってほしいタスクがある場合は必ず相手を指定するようにしてください。
個人間でチャットしてしまう
Aという案件があったとして、そのAの案件を知る人がグループに一人しかいない時、グループチャットではなく個人チャットで要件を伝えてしまう人がいます。
他の人が知らない案件をグループチャットで行い、未読メッセージを増やすのは申し訳ないと思う方もいるかもしれませんが、それだとビジネスチャットツールを使用している意味がありません。
引き継ぎ・報告事項を効率的に共有できるのがビジネスチャットツールのメリットなのに、それを個人間チャットで行ってはせっかくのメリットが消えてしまいます。
その人が不在の時に別の人でも対応できるよう、そのやり取りはグループに残すべきなのです。
また、その仕事のやり取りを見て業務を覚え、対応できるようにするという社員の間接的教育ができるというメリットにもなります。
なので、仕事のやり取りはしっかりグループで共有しましょう。
まとめ
近年、業務効率化のための様々なクラウドサービスが登場しています。
ビジネスチャットツールはまさにその代名詞です。
手軽にコミュニケーションが取れ、以前は口頭が当たり前だった報・連・相を全てチャットツールで完結することもできます。
一方で、どんなに便利なツールでも使い手次第でメリットがデメリットになってしまうこともあります。
大抵のチャットツールは、使い方なんて教えてもらわなくてもなんとなく使うことができますが、チャットIDだけ渡して放置してしまうとチャットツールの使い方が自己流になってしまい、ツールを最大限生かせません。
そのためビジネスチャットツールを使用する企業は、社員にIDを配るだけでなく、チャットツールの使用方法を教育する必要があると思います。
チャットツールの管理者もまた、チャットツールの本来の使い方と利便性を理解し、運用していくことが大切です。
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