スタートアップ企業で顧問税理士は必要?必要性と報酬相場について解説

顧問税理士起業・独立

会社設立と顧問弁護士というのは、昔からのビジネスモデルです。

起業すれば、必ず顧問税理士をおすすめするDMが大量に届きます。

設立したばかりの法人でも、本当に顧問税理士は必要なのでしょうか。

今回は、そんな顧問税理士の必要性と顧問料の相場について解説していきます。

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結論:"顧問"税理士はいなくてもよい

結論から言えば、スタートアップ企業に顧問税理士はマストで必要ではありません。

他のサイトでは「いたほうが良い」と結論付けているところがほとんどですが、新規顧客を増やしたい税理士とその仲介者が煽っているだけに過ぎません。

顧問税理士がマストではない理由は、以下の3つとなります。

理由①スタートアップ企業の多くは「無形商材」を取り扱う業種

経費がほとんど発生しない「無形商材」を取り扱うスタートアップ企業であれば、計上する経費がほとんどないため、税理士の必要性は薄れます。

以下の表は、私が勤めているシェアオフィスで起業・開業している会員の業種別統計一覧表となっています。

参考:バーチャルオフィス ナレッジソサエティ

業種の上位3位が「コンサルティング」「システム開発」「教育・育成」という順に多いことが分かります。

上記3つの業種の共通点は、設備投資・在庫といった経費があまり発生しない業種のため、経費計上や棚卸を行う機会がほとんどなく、多くの場合シンプルな税務処理になります。

このように、スタートアップ企業の多くは「無形商材」を取り扱う業種のため、製造業や建築業などの複雑な税務処理が必要な業種の場合を除き、顧問税理士がすぐ必要になることはないでしょう。

理由②売上高が少なければ節税効果も薄く、顧問料の方が高くつくことがある

顧問税理士を契約する大きなメリットの一つが節税です。

顧問料に見合う節税が期待できなければ、顧問契約のメリットはかなり小さくなります。

スタートアップであれば、1期目の売上高1,000万円未満の法人がほとんどです。

そして売上高1,000万円未満の法人の場合、顧問料の相場は月額15,000円~25,000円と言われています。

また、決算申告の依頼は別で月額顧問料の4~6か月分がかかるのが一般的です。

出典:税理士ドットコム 顧問税理士の報酬相場

仮に月額20,000円で税理士を12ヶ月間顧問契約したとしましょう。

すると年間240,000円の顧問料が固定費として発生します。

売上高が年間数百万円規模の企業が、顧問税理士を雇えば年間240,000円以上の節税をすることができるでしょうか。

正直難しいと思います。

「これが経費に落ちるなんて知らなかった!」といって領収書を貰わなかったり、取っておかなかったりするオッチョコチョイの社長さんであれば顧問税理士がいたほうがいいですが、実際そんな人はほとんどいません。

少なくとも決算申告さえ税理士にやってもらえば、決算の青色申告や控除について何も知識がないとしても、税金で年間240,000円も損することはありません。

売上高が増える、従業員を雇うなど事業が拡大する場合であれば、節税効果が高く見込まれるため顧問税理士は必要になってきます。

スタートアップ時期は顧問税理士よりも、まず売り上げをしっかりと立てて資金繰りの安定化を最優先しましょう。

理由③経費に落ちるのかや種類などは検索すれば出てくる&クラウド会計ソフトの自動仕分け機能もある

経営者が顧問税理士を契約する大きな理由の一つは、「これは経費で落ちるのか分からない」「この経費はどの種類で計上すればいいの?」といった際に頼れるプロがいれば安心できるという点です。

まず「経費にできるかどうか」は、現代であればインターネットで簡単に調べることができます。

例えば「オフィスや店舗ではなく自宅で起業したけど、家賃は経費として落とせるの?」という場合、調べれば「自宅事務所であれば、賃貸物件を会社契約にすることで一部家賃を経費化できる(大体家賃の5~7割)」と答えがすぐに出てきます。

また、経費の支払いを法人用クレジットカードにまとめて、freeeなどのクラウド会計サービスにカードを連動させていれば、自動仕分け機能により勝手に仕分けしてくれるため「この経費はどの種類で計上すればいいの?」となることはほとんどありません。

現金や振込での精算が増えたり、頻繁に経費精算するようになった場合であれば、税理士に丸投げして社長は経営に集中できるというメリットがありますが、経費精算がそれほど多くないスタートアップ企業であれば、顧問税理士はすぐ必要にはならないでしょう。

スタートアップ時は月極の「顧問契約」より、決算申告のみの「スポット契約」がおすすめ

法人にとって、税理士が最も必要な場面は「決算申告」です。

上述した理由から、スタートアップ時は「顧問契約」よりも、決算申告のみの「スポット契約」がおすすめです。

「決算申告のみ」を依頼する場合の相場は15万円~と言われています。

法人の決算申告は非常に複雑で、手間も時間もかかります。

経営者が事業に集中するためにも、決算申告はプロの税理士に任せるべきです。

また、決算申告書には「税理士の印鑑を押す場所」があります。

税理士が申告書を作成したというお墨付きになるので、税務署からも信用して受理してもらえます。

国内の税理士の人数と現状

日本税理士会連合会HPの税理士登録者数を見ると、令和2年3月末時点で78,795人、国内におよそ8万人の税理士がいることが分かります。

ちなみに全国のコンビニエンスストア店舗数が5万5620店(2019年末時点)なので、税理士はコンビニ店舗数よりも多いことが分かります。

何が言いたいのかというと、税理士の数が多すぎるのです。

また、自動入力クラウド会計ソフトの台頭やキャッシュレスの普及率上昇に伴い、税理士の負担も減りました。

人力の税務処理は減っていますが、税理士は増え続けているのです。

さらにIT先進国エストニアでは、税理士という職業自体がすでに消滅しているという背景もあり、税理士同士の顧客獲得競争は今後さらに激化するものと思われます。

経営者にとっては、税理士の顧問料の価格競争やサービス品質向上が期待できるので嬉しいことですね。

まとめ:顧問税理士選びは焦らずゆっくり探そう

スタートアップ企業は、すぐ顧問税理士が必要になることはほとんどないので、会社設立後に焦って探す必要はありません。

まずは、会社の売り上げを立てることが一番大切です。

売り上げが立ち、資金繰りが安定するまでは、決算申告のみの「スポット契約」で固定費を節約しましょう。

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