多くの人は「起業とはハードルの高い大きなチャレンジだ」という勘違いをしています。
実は、日本は5年以内の廃業率はたった18.3%のため、起業に対してそこまで気負う必要はありません。
しかし、5年間生き残る=成功ではありません。
利益が右肩上がりにならず、ダラダラ5年間事業を継続していれば、それは失敗と言えるでしょう。
起業が成功するかは、起業1年目(1期目)の行動にかかっています。
そこで今回は、有名な起業バイブル『起業1年目の教科書』を元に、起業成功パターンを10選見ていきましょう。
はじめに:起業の成功率・失敗率
中小企業庁が公開している「中小企業白書2017年版」によれば、日本は5年以内に18.3%が廃業していることが分かります。
5年以内に半数以上が廃業するで欧米諸国に比べれば、日本は廃業率はかなり低く、欧米諸国の起業率・開業率が日本より高いことが理由の一つとして挙げられます。
このデータを見て「あれ、思ってたより起業失敗する確率って低い?」と思った方も多いはずです。
確かに「起業 失敗率」などで検索すると、以下のようなソース不明のデータが数多くヒットします。
- 1年で40%
- 5年で5%
- 10年で6%
- 20年で0.3%
- 30年で0.02%
2006年の会社法改定以降、会社の設立条件が緩和されたことで低予算・低コストでも起業できるようになりました。
それに伴い、倒産・廃業率も下がったため、上記のデータはかなり古いものであると考えられます。
パターン①リスクを取らずにスタートする
「起業するからにはリスクを取らなければ!」と考える方が多いですが、いきなり大きなリスクをとる必要はありません。
起業家という生き物はやる気と行動力が人一倍ありますが、そのやる気と行動力が空回りしてしまったり、自身が尊敬する人物が大きなリスクを取っている姿をリスペクトして、身の丈に合わないリスクを取ってしまうことがあります。
あなた自身に合った「安心感のある」やり方を探せばよいのです。
「失敗してもギリギリ受け入れられる範囲での最大の挑戦」をしましょう。
パターン②テスト用の予算を用意する
「びた一文、損したくない!」という気持ちは、起業のスピードを恐ろしく減速させます。
起業を進めるときは「起業→事業家」ではなく、「起業→テスト→事業家」が正しいプロセスです。
テストからは「反応」が得られます。
広告の反応、新製品の反応、取引先の反応などです。
それらの「反応」から学ぶことで、早く小さく失敗して、大きく成功しましょう。
パターン③わがままな目標を立てる
「良い目標」には、「自分を動かしてくれる力」があります。
逆に自分が止まってしまうような目標には、何か問題があるわけです。
「目標を立てても苦しくなってしまう」という方も少なくありませんが、それは目標の立て方が下手なだけです。
目標を立てるポイントは「成功のデメリット」を明確化することです。
例えば、「年収1000万円」という目標を立てたとすると、「家に帰れなくなって家庭がボロボロになる」「友人と疎遠になる」「好きなゲームができなくなる」といった「成功のデメリット」を思いつくだけ書き出してください。
そして次に、「デメリットが起こらない目標」に書き換えてください。
例を元に、私なら「1日2時間はゲームをできる時間を確保しつつ年収1000万円」という目標にします(笑)
こうすることで、不思議と気が楽になり、ストレスなく動けるようになります。
自分を動かしてくれる、わがままな良い目標を立てましょう。
パターン④オリジナル商品にこだわらない
ゼロから商品・サービスを作るには、それなりに時間がかかります。
なので、最初は「他人の商品」または「他人の商品を真似た商品」を扱って起業するということも大切です。
ビジネスの基盤を作り、スキルを磨き、余裕ができた頃にオリジナルの商品に発展していけばよいのです。
「商品ができない」と悩んでいる方の多くは、こだわりが強い方だと思います。
上手くいっている商品・サービスをパクることも、ビジネスでは非常に重要です。
あのスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツですら、アイデアをパクって商品化した経歴があります。
ピカソも「優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む」と言いました。
最初は、オリジナル商品にこだわり過ぎないようにしましょう。
パターン⑤価格を上げる理由をコツコツ作る
起業家は、安い価格で勝負する時期はあってもよいと思います。
しかし、ある時点で、しっかりと利益が得られる価格設定にしなければ、ビジネスはいつまで経っても軌道に乗りません。
価格を上げるうえで、根本的な問題は「自信」です。
売り手の自信というのは、買い手に敏感に伝わるものです。
一方、同じ商品でも自信があれば「来月から値上げさせていただきます」と普通に言えるようになります。
価格を上げる理由を、自分で一つひとつ作っていけば、必ず自信がついてきます。
小さなことでいいので、価格を上げる理由をコツコツ積み重ねていきましょう。
パターン⑥最初は効率を度外視して集客する
これはブログ・SNS・広告など様々な分野の集客に共通してることで、最初の1件を集客するにはかなりの苦労が必要です。
「ブログを10記事30時間かけて寄稿し、ようやく1件仕事を獲得できた」
「広告費に10万円かけたが、1万円しか回収できなかった」
「たった一人のお客さんに会うため、飛行機で移動した」
など、最初は効率が非常に悪いうえ元も取れないためガッカリすることがあるかもしれません。
しかし、最初は「もっと効率が良い方法はないのか?」などと余計なことは考えず、やれる集客は全てやりましょう。
実際には、大量行動して、いろんな方法を試しているうちにやっといい方法が見つかるというのが一番効率の良いルートです。
悩んで止まっている時間があるなら、様々な集客方法を試してみましょう。
パターン⑦やる気のない前提で1日の計画を立てる
スケジュール管理は大切ですが、たいてい人は、スケジュールを入れるときに、少し興奮気味です。
「今日はここからここまで積み上げる!」といった具合で、ぎっしり予定を入れてしまったりもします。
いざ行動してみると、スケジュール通りにいかず自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
そのため、「自分の精神力に頼らないスケジュール」を立てます。
そこに気づきだけで、計画の進み具合が劇的に違ってきます。
「これだけは2時間集中してやろう」というように、全力で集中するタスクを1つ選んで、それ以外は現実的な計画を立てるのが良いでしょう。
パターン⑧1割の成功を活かす
失敗を恐れず、様々なことにチャレンジしましょう。
10個やっても結果が出なければ、次の10個を試そうと努力します。
早めに10個を試したおかげで、次の10個に取り掛かることができるわけです。
そうやっていつの間にか、成功する方法に出会うわけです。
このように、良い方法を探すことに時間をかけるのが無駄だと感じることもあるでしょう。
しかし本当に無駄なのは、成果が出なかったことに使った時間ではなく、何もしなかった時間です。
そして、いくつか試してそのうち1つがうまくいったら、その時点でそこにエネルギーを集中させ、リターンを得られるように成長させましょう。
パターン⑨「助けてくれる人リスト」を作る
起業かは自立すべきだし、ビジネスは自己責任です。
しかし、すべて自分の力だけでやらなければならないというわけではありません。
起業家とは、1人ですべてを行う人ではなく、足りないリソースを周りから集めて、社会に役立つビジネスをやり遂げる人のことを言います。
一流の人たちは、他人に助けを求められます。
彼らは、助けを求めるのは恥ずかしいこととは思っていません。
むしろ、助けを求められないほうがカッコ悪いと考えているくらいです。
自分のできること・できないことを明確にし、マーケティング・マネジメント等の専門分野に長け、知恵を貸してくれる人を周りにたくさん持っておきましょう。
一人で孤軍奮闘するのではなく、全員が助け合いながら成功するのが、最も効率が良いわけです。
まとめ:1年目は起業成功率の向上に努めよう
ある起業家は、こんなことを言いました。
「1年目は種まき、2年目で芽が出て、3年目に花が咲く」
1年目は利益を上げるというよりは、利益を上げるための準備期間であり、花で言う種まきの時期に当たります。
1年目にどれだけ種をまけるかによって、花の開花率もとい起業成功率に大きく影響します。
この記事では、『起業1年目の教科書』に載っている内容の一部を紹介しております。
非常に参考になる書籍なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
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