皆さんこんにちは。
近年、バーチャルオフィス・シェアオフィスに法人登記する需要が拡大しています。
イニシャルコスト・ランニングコストを安く抑え、自宅ではない住所を登記することによって安全性と信頼性を得ることができます。
いいこと尽くめな印象のバーチャルオフィスですが、利用するうえで絶対に注意しなければいけないことが2つあります。
今回は、現役シェアオフィス社員の私がその2点を皆様にお伝えしたいと思います。
格安シェアオフィスの罠トラップ
2019年11月時点で、東京都内で最も安いバーチャルオフィスは、「オフィスゼロワン」の月額416円(税抜)です。
こちらは通常月額500円ですが、一年分一括払いを行うことで割引価格5,000円/年となり、月々416円で利用できるそうです。
登記できる住所は「東京都板橋区南常盤台」と、都心や一等地とは呼べませんが、それでもバーチャルオフィスとしては激安です。
上記のように、都内で利用できるバーチャルオフィスは数百円から存在します。
しかし、どこも安いのには理由があります。
以下のような理由のあるケースが多いです。
- 住所が都心・一等地ではない
- オフィスの入っているビルが古い(設備、備品がしっかり管理されていない)
- 駅近ではない
- スタッフがオフィス常駐ではない
- 最安値以外のサービスプランやオプションが高い
また、安さだけでバーチャルオフィスを選んでしまうと、面倒なことになってしまう可能性もあります。
閉鎖のリスク
まず初めに考慮しなければいけないのが、閉鎖のリスクです。
都内駅近オフィスビルの1フロアを借りるということは、月々の賃貸料は100万円を下りません。
つまり、そのフロアを借りる企業は100円以上の利益を出さなければ赤字になってしまいます。
バーチャルオフィス事業の場合、もし月額1,000円で法人登記できる料金設定にしたらどうなるでしょうか。
1000人以上の会員がいないと元が取れませんよね。
もちろん人件費や光熱費その他経費もかかるため、経理や資金繰りがかなり不安定になることは想像に難くありません。
その結果、運営1~2年で突然閉鎖してしまうバーチャルオフィスも実際にありました。
それ以外にも、オフィスビル自体が古いと、解体工事に伴って閉鎖することがあります。
直近だと、「ビジネスピット」がその例です。
工事に伴い、2020年8月末でなくなるそうです。
閉鎖リスクの少ないオフィスを選ぶコツは、創業歴の長いオフィスを選ぶことでしょう。
設立から2~3年のバーチャルオフィスは正直心配です。
また、これはソースのない情報なのですが、バーチャルオフィスの月額料金の相場はだいたい月額5,000円前後です。
なのであまりに安いバーチャルオフィスには何かあるものだと疑ってかかると良いかもしれません。
移転のリスク
次に考慮すべきことが、移転のリスクです。
こちらも実際にあったことですが、バーチャルオフィスのとある会員Aさんが詐欺まがいのビジネスを行ったことで警察や銀行のマークが入り、会員Aさんと同じ住所で法人登記している他の会員さんが法人口座を作れなくなってしなってしまうということがありました。
その結果、登記住所が汚れてしまい移転を余儀なくされてしまうというケースもあります。
移転しにくいバーチャルオフィス・シェアオフィスの選び方としては、入会審査をしっかり行っているオフィスを選ぶとよいでしょう。
申込書を書くだけで入会できたり、審査が簡易的すぎるオフィスは避けるべきだと思います。
法人口座が作れない可能性
バーチャルオフィス・シェアオフィスを利用するうえで、多くの方が心配することの1つが「このオフィスに登記して法人口座がちゃんと作れるか」です。
結論から言うと、作れます。
法人口座開設の審査において、登記住所がバーチャルオフィスだと減点要素になってしまうと書いているサイトもありますが、審査において最も注視されるのは"事業内容"です。
しかし、どのバーチャルオフィスでも法人口座が開設できるとも限りません。
過去に振り込め詐欺や投資詐欺に使用されたことのある住所の場合は、当然審査に落とされます。
利用を検討しているバーチャルオフィスで法人口座がちゃんと作れるかどうか判断するためには、そのバーチャルオフィスの掲載している記事・利用者のレビュー(Googleレビュー)などを参考にするとよいでしょう。
ちゃんとしたオフィスなら、法人口座が開設できるか不安な方向けの記事を掲載しておりますし、利用者のインタビュー記事・Googleレビューなどを載せているところもあるでしょう。
ちなみに、バーチャルオフィスの法人口座設立を原則認めていない銀行があるのも事実です。
私が知っている範囲ではオリックス銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行はバーチャルオフィスを利用している法人の口座開設をお断りしているようです。
ですが、都市銀行や多くの地方銀行ではバーチャルオフィスを利用していても法人口座の開設はでき、現に私が勤めているナレッジソサエティでも、ここを登記して法人口座が作れなかったということは今まで例がありません。
総括
バーチャルオフィス・シェアオフィスは近年、需要の増加と共に続々と増えてきております。
法人登記以外の料金やサービスも多様化し、利用者の選べる幅がかなり増えてくると思います。
そうなったときでも、閉鎖・移転のリスクと法人口座開設できるかの2点は必ず確認し、自分にぴったりのオフィスを選ぶようにしましょう!
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