近年、クラウドストレージは個人向けだけでなく、法人向けのサービスを展開するようになってきました。
これまでは個人向けクラウドストレージのイメージが強かったDropboxやGoogleドライブも、今では法人向けの有料ストレージプランを提供してます。
しかしクラウドストレージというのは、第三者が運営するストレージ(データ保管庫)にインターネットを経由してデータを保存するもので、セキュリティやコンプライアンス上の問題を考えると危険な印象を受ける方も多いと思います。
そんなクラウドストレージで、法人が顧客情報や企業機密を管理するのはアリか、それともナシかを見ていきましょう。
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、別名オンラインストレージともいわれ、インターネットを経由してファイルを保存したり呼び出したりすることができるサービスです。
パソコンに直接保存しないため、容量を節約することができ、さらにファイルを自宅以外の場所からでも利用することができるため、プライベートからビジネスまで幅広い活用ができます。
企業でクラウドストレージはアリか?ナシか?
結論から言えば、アリです。
自社サーバー・ストレージを設置し、情報システム課といった専門の部署が管理しているような大企業なら話は別ですが、多くの企業はそんな余裕ありません。
中小企業にありがちなのが、自社サーバー・ストレージを設置するまではいいのですが、それを専門知識を特に持たない一般社員に管理させているケースです(管理人が前職で体験したケース)
ストレージに突然アクセスできない問題などが発生した場合、復旧まで時間がかかるのは言うまでもありません。
バックアップもしっかり取っているか怪しいうえに、誰がいつどの端末からアクセスしたか調べられるアクセスログや操作ログ管理機能なども使いこなせているはずもなく、セキュリティ観念も何もありません。
セキュリティ・コンプライアンスに回す時間も人員もいない企業こそ、安全・安心なクラウドストレージを利用するべきなのです。
日本企業のクラウドストレージの利用率
法人向けのクラウドストレージを利用している企業の割合は、ソースは不明ですが某ブログのデータによるとおよそ36%とのことです(2019年時点)
3分の1以上の企業がクラウドストレージを利用しているということになります。
Office365のような事務ソフトや、freeeのような会計ソフトのクラウド版が主流になり始めてきた昨今、クラウドストレージもまた、クラウド版が主流になりつつあるようです。
クラウドストレージのメリット
メリットは多すぎて書ききれませんが、クラウドストレージのセキュリティ・コンプライアンスに関するメリットだけをまとめると、以下の要素が挙げられます。
- アクセスできるパソコンを制限するIPアドレス制限機能、またスマートフォン等のデバイス情報を元に制限するデバイス認証機能
- 利用者ごとに「閲覧のみ」「ダウンロード可能」「編集も可能」 と権限を分けることができるアクセスコントロール機能
- 情報漏えいを防ぐ二段階認証
- 不正アクセスを見逃さないため、誰がいつどのような操作を行ったかを確認することができる管理者操作ログ機能
- 誤ったデータの上書きや改ざんがあったときのための自動バックアップ
- サーバーの管理・更新等の作業は一切必要なし
有料のクラウドストレージを提供している多くのサービスでは、上記のメリットを受けることができます。
クラウドストレージのデメリット
会社のファイルを第三者が運営するサーバーに保管するということに不安や抵抗感を持つ企業も少なくありません。
ですが上述したメリットの通り、近年のクラウドストレージのセキュリティ・コンプライアンスは非常に強固です。
しかし、それでもクラウドストレージの特性上、アカウント情報やパスワードが知られてしまえば簡単にアクセスできてしまうのも事実です。
そのため、リスクヘッジをしっかりと行わなければなりません。
- 情報漏洩を防ぐため、アクセス権限を有する社員に対してセキュリティ意識を高めるための教育を行う
- 退職者のアクセス権限破棄を必ず行う
また、第三者が運営するサーバーのため、以下のようなデメリットもあります。
- 第三者が運営しているため、メンテナンスや障害等で接続できなくなってしまった場合はなにもできない
- クラウドストレージはサービスがパッケージ化されているため、サービスのカスタマイズ性は自社サーバーを構築した場合に比べて低い
まとめ
顧客情報や企業機密であっても、利用する会社側がしっかり機能を理解し、使いこなすことができれば、クラウドストレージは自社サーバーと同様かそれ以上のセキュリティで管理することができます。
自社サーバーの導入に比べコストも手間も省けるうえに、データのセキュリティ・コンプライアンス向上を図ることもできます。
しかし、クラウドストレージ特融のリスクもあるため、それらを理解したうえで管理していくことが大切です。
クラウドストレージ導入を検討されている方の参考になれば幸いです。
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