この記事は、吹き出しでの会話形式によるスティーブ・ジョブズの解説記事となります。
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また、この記事の内容はYOUTUBEで解説動画としても投稿しているので、ぜひ見てください!
茶番
はぁ...ツイッターで内定自慢するやつ増えてきたなぁ
もうそんな時期か...
東証一部上場企業の総合職に内定したってツイートあるけど、この人は東証一部がなんなのかちゃんと分かってるのかな?
・・・はぁ
あ、紗代じゃん
どうしたの3次選考に落ちたような死んだ目して
Appleに就職したい
・・・え?
Appleに内定決まったってインスタでハイパーマウントとりたい
インスタで一体何があったんだ・・・
ていうかなんでAppleなの?
「社員10000人以上の超大手企業バックオフィスに内定されましたぴえん」って投稿してた子がムカつくの!!
その子普段はハッシュタグ付けまくってiPhoneから自撮り上げてるから、「自撮り女子がよく使うiPhoneでお馴染みのAppleに内定もらいましたぴえん」ってマウンティングして黙らせたい!
理由が不純過ぎる…
Appleでも営業とかサポートとか色々あるだろうけど、何がしたいとかは決まってるの?
特にないけど、銀座や表参道のApple Storeで働けたらなんかかっこいいよね!
フワフワしてるな~
ちなみにApple創業者が誰かとか聞かれたら、紗代はちゃんと答えられるの?
もちろん知ってるよー
"スティーブ・ジョブズ"さんだよね
プレゼンが上手くておヒゲがダンディな人
ふーん
じゃあiPhoneを発売する以前にAppleがどんなものを売っていたのかとか、スティーブ・ジョブズがどんな理念で製品を創っていたのかとかは知ってる?
そんなに詳しくないよ
ふむふむ
まだお昼休み時間あるし、じゃあせっかくだからAppleと創業者スティーブ・ジョブズについて教えてあげるよ
え、あっはい
スティーブ・ジョブズとは
スティーブ・ジョブズは1955年アメリカ生まれで、1976年にAppleを起業、革新的なアイデアとカリスマでIT業界を席巻して、2011年に膵臓ガンのため56歳という若さで亡くなったんだ
亡くなったのって結構最近なんだね…
製品発表してる姿しか知らないけど、若いころのジョブズさんってどんな感じの人だったの?
まぁ一言で言えばクズだったね
え、どういうこと!?
まずはこの一覧を見てもらった方がいいかな
特にパワハラ・セクハラのエピソードが有名だね
- 発明した違法な長距離電話(ブルーボックス)を売りさばいた
- LSD(非合法ドラッグ)を常用していた
- 妊娠させた彼女と裁判になり、子供を認知せず捨てた
- 車は必ず障害者専用のところに駐車する
- 「週90時間働け」と文字を入れたTシャツを作り、社員たちに着せる
- 社員面接のときに「ねぇ、キミは処女なの?」「キミ童貞でしょ」といった質問を必ずする
- エレベーター内で一緒になった社員に質問し、明確に答えられなかったのでクビにした
- 秘書がいつもと違うブランドのミネラルウォーターを持ってきたのでクビにした
- 社員のiPhoneを前触れなく取り上げて、そのiPhoneがパスワードで保護されていなかったらクビにした
- 社員が提案したアイデアをボロクソに否定した次の日、そのアイデアを自分が考えたかのように発表した
なにこの度し難いエピソードの数々
この一覧はジョブズのクズエピソードのほんの一部だよ
この子供を認知せず捨てたっていうのも実話なの?
有名な実話だよ
妊娠したことを報告した彼女に対して「他の男の子供なんじゃないのか」と突き放し、DNA鑑定で94%という結果が出ても「100%じゃないから俺の子とは言い切れない」と認めず、養育費もまともに払わなかった
そしてこんな名言も残してる
「俺の子供はAppleだけだ」ってね
最低のクズ男じゃん!
こんな人が本当にApple創業者なの!?
ジョブズは正真正銘のApple創業者だし、今僕たちが使ってるパソコンやスマートフォンというものの礎を築いた偉大な人物ってことは間違いないよ
こういう偉業を成す人って大抵は変わり者だし、人格者なんていないもんだよ
えーそういうものなの...?
じゃあジョブズの生い立ちから話していこうか
スティーブ・ジョブズの生い立ち
スティーブ・ジョブズは1955年、カリフォルニア州サンフランシスコに生まれて、生後すぐに養子に出だされた
ジョブズさんって養子だったんだ
うん、ジョブズの本当のお父さんはシリア人で、お母さんはアメリカ人だったんだ
シリアからの留学生だったお父さんと現地のお母さんの間に生まれたんだけど、宗教や生活習慣の違いで結局結婚できず、養子に出しちゃったらしい
生まれてすぐ養子に出されちゃうなんて可哀そう
もしかして、養子に出された過去があったことで性格歪んじゃったの?
養子に出されたことと人格は関係ないってジョブズ本人が言ってたそうだよ
養子として引き取ったジョブズ夫妻はすごくいい人たちで、本当の我が子のように愛してくれたんだって
養子でも家庭環境は恵まれてたのね
義父母はジョブズを愛していたし、ジョブズも愛していたと語ってるよ
そして1960年代、ジョブズの実家の周辺には軍需産業や技術系のハイテク企業がどんどん集まって活発に活動し始めていた
実はジョブズが育った場所は、かの有名なシリコンバレーだったんだ
シリコンバレーってよく聞くよね
そんなに有名な場所なの?
実はシリコンバレーって地名は存在しなくて、サンフランシスコのハイテク企業が密集する地域のことをそう呼んでるんだよ
シリコンは「半導体」、バレーは「渓谷」を意味してるんだ
シリコンバレーにあるスタンフォード大学は、当時アメリカでもっとも電子工学の分野が盛んだった
それがきっかけで周辺地域が発展して、現在は誰もが知るGoogle、Amazon、Facebook、そしてAppleが本社を置いてるIT主要都市になってるんだ
エリートしか住んでなさそう
今じゃホントにエリートしか住めない地域だよ
ワンルームでも家賃15万円以上するらしい
ワンルームで15万円!?
東京の倍くらい高いじゃん!!
まぁそれは置いておいて、ジョブズはそういった企業に勤める多彩なエンジニアが周囲にいる環境で育った
その影響でエレクトロニクスに興味を持っていたジョブズは、高校生に上がってからはエンジニアが集まるヒューレットパッカード主催の「探求クラブ」へ積極的に参加したり、ヒューレットパッカードのCEOに直接電話して周波数カウンターの工場でバイトさせてもらったり、さらには開発途中の小型コンピューターを見せてもらったこともあるらしい
行動力の化身...
スティーブ・ウォズニアックとの出会い
そしてこの頃、ジョブズはヒューレット・パッカードの夏季インターンシップで運命を変える出会いに遭遇した
"二人のスティーブ"こと、後にAppleの共同創業者になる、愛称ウォズで知られるスティーブ・ウォズニアックに出会ったんだ
ジョブズさんと同じ名前の人なのね
そのウォズさんも電気とか機械に詳しい人?
詳しいどころか、ウォズは10歳でアマチュア無線機を作っちゃうほどの天才エンジニアだよ
周波数カウンタを組んでいたジョブズにウォズが話しかけた
「これHW8だよね!ポジションメータとかはあるの?うわっこの部品何!?」と楽しそうに聞いてくるウォズに、ジョブズは戸惑いつつも親近感を持ったそうだよ
めっちゃ早口で言ってそう
このときウォズは21歳、ジョブズは16歳だった
ウォズがコンピュータの設計をしていたことや、エレクトロニクスの分野はジョブズ自身よりも詳しかったこともあって、ジョブズはウォズとよくつるむようになっていった
リード大学へ入学、そして中退
そして1972年、ジョブズはアートなことを学びたいと言って両親の意見も聞かず、一方的にリード大学という学費がバカ高い私立大学への進学を決め、両親は仕方なくそれを認めた
リード大学って頭いい大学だったの?
正直そこまで頭がいい大学じゃなかった
両親はジョブズの自頭の良さをよく知ってたし、地元のスタンフォード大学に入ってほしいというのが本音だったけど、この頃の時点でジョブズは自分の中で決定したことは絶対に変えない性格だったから苦労したそうだよ
でも最終的にジョブズさんが行きたいって言った大学に入学させてあげるあたり両親はすごく優しかったのね
まぁ中退して18か月で実家に帰ってくるんだけどね
はぁ!?なんで?!
大学には必修科目ってあるじゃん?
ジョブズは興味ないことを勉強するのは時間の無駄だと考えてたから、自分の出たいと思う講義だけ出てたわけ
どこまで自分勝手な人なの!
これはさすがに両親も怒るでしょ?
多少は怒ったそうだけど、実家に帰ってきた後もジョブズのしたいようにさせたらしい
両親優しすぎ…
アタリ社へ入社
そしてジョブズは実家から仕事を探すことにした
さっき話した通り、ジョブズの実家の周りは技術系のハイテク企業がたくさんあったから職探しには困らなかったんだ
ある日、ジョブズはアタリというゲーム会社の求人広告を目にして、雇ってもらうためにその日のうちにアタリへ向かった
アタリは当時従業員が50人くらいの小さな会社だった
相変わらずの行動力ね
でもなんでアタリって会社に興味が湧いたのかな
楽しく金儲けさせてくれる会社だと思ったかららしいよ
安易過ぎる!!
君のApple志望理由と大差ないんだよなぁ
そしてアタリに来たジョブズの姿に、社員らは困惑した
え、ジョブズさんどんな格好だったの?
髪はボサボサロン毛で靴も履かずに素足、そしてジョブズはほとんど風呂に入ってなかったから体からは悪臭が漂っていたそうだよ
やば...そんなの受かるわけないじゃん
ていうかなんでお風呂に入ってないの?
ジョブズは高校生あたりからベジタリアンで肉を食べない生活をしていた
それから「ベジタリアンは肉を食べないから汚れない。だから風呂には入らない」という独自の思想を持ってたんだね
なにそれ...
ベジタリアンってことは野菜や果物しか食べてなかったってこと?
正確に言うと、ジョブズは菜食主義でもペスクタリアンっていう分類だから魚や乳製品は食べるんだ
ちなみに、最近よく聞くヴィーガンっていうのは完全菜食主義のことだから、魚も乳製品も食べない人のことだね
そうなんだ…
そして担当者が来るや否や、簡単に自己紹介した後にジョブズは「で、俺雇ってもらえるんですよね?」と言い出し、あまりに図々しい態度と発言に担当者は絶句した
落ちたな...
その後も「雇ってくれるまで帰らない」と宣言して、ついにアタリの社長であるノーラン・ブッシュネルという人を引っ張り出すまでに至った
ブッシュネルはジョブズの態度に折れ、ついに時給5ドルの技術作業員として採用されることになったんだ
ゴリ押し成功したの!?
でもジョブズさんこんな性格じゃ絶対まともに働けないでしょ
紗代の言う通り、ジョブズに社会協調性は皆無だった
ただでさえ風呂に入らず悪臭を放っているのに、周りの同僚を無能呼ばわりしたり、出来上がった機械を見てこれを作った奴はバカだと文句を言ったりと口の利き方は最悪
仕事をミスっても指示する方が悪いと言って認めなかったり、そもそも言うことを聞かなかったりで社内の評判は最悪だった
G級のモンスター新入社員じゃん
そんなのすぐクビになって終わりじゃないの?
ところが、社長のブッシュネルに意外と気に入られていたジョブズはクビにはならなかった
でも社員からのクレームがひっきりなしだったから、日勤から夜勤に変わってもらうことになったんだ
夜勤なら他の社員に会わないからジョブズさんもノビノビ仕事できそうだね
でも今度は入社して1年も経ってないのに、「インドへ行く。期間は分からない」と言ってジョブズは長期休暇を申請した
それだけじゃなく、お金がないから旅費を援助してほしいとまで言い出した
色々とやばすぎるでしょ
さすがにこれはクビになっちゃったよね?
ところが上司のアルは結局ジョブズに条件付きで助け舟を出したんだ
アタリがドイツに輸出したキッドで不具合が出たから、まずドイツでそれを直してからインドに行くならいいよってことになった
上司のアルさんも会社も寛大過ぎない?
ていうかなんでジョブズさんはインドに行きたくなったの?
ジョブズは大学時代に仏教の一派である「禅」という宗教の思想にハマって、導師に会って悟りを開くために発祥地のインドへ行くことを決意したんだ
ぜ、ぜん?
そしてジョブズは予定通りドイツでキッドの問題を解決してからインドに向かい、7ヶ月現地で生活してから帰国
1975年の初めにはアタリに復職したよ
7ヶ月…
7か月間のインド放浪生活で、ジョブズは西洋のような合理的思考だけでなく、東洋のパワフルな直感性との親和性を身につけたらしい
良くも悪くもその直感性がジョブズさんの人格を創っていったのね...
ゲーム「ブレイクアウト」の設計
復職して間もなく、ジョブズは「ブレイクアウト」っていう新しいゲームの設計を依頼されたんだけど、これもすごく有名なエピソードでね
報酬を折半するって条件でウォズと一緒に作ることになったんだ
天才エンジニアのウォズさんと一緒にゲーム作ったんだ
凄く頼もしいしなんか楽しそうだね
ウォズはとにかく機械作りが大好きだったし、ゲーム作りに興味もあったから2つ返事でOKした
その時ジョブズは「4日でやってほしい」とウォズに頼んだ
4日?そんな短期間で作れるものなの?
普通は数人のエンジニアが2~3か月かけて作るものだったよ
これをウォズは本当に4日間で完成させたんだ
すご!!
ウォズさんはやっぱり天才なんだね!
で、約束通り報酬を折半することになったんだけど、アタリはジョブズに5,000ドルの報酬を支払った
けどジョブズはウォズに報酬は700ドルだったと説明して、その半分の350ドルを渡した
はぁ!?
報酬ちょろまかしてんじゃん!!
そうなんだよね
でもジョブズは晩年、報酬は半分ちゃんと渡したと答えた
一方その後事実を知ったウォズは「あの頃スティーブはお金が必要だったんじゃないかな。僕は気にしてないよ」って答えたんだって
ウォズさんいい人過ぎ
とまあこんなこともあったけど、ジョブズはアタリでの仕事にも慣れはじめ、会社にも少しづつ馴染んでいくようになった
AppleⅠの誕生
そんなある日、ジョブズはウォズに呼び出されて家に行った
これはゲーム作りの報酬ちょろまかしたのがばれちゃって修羅場に...
ウォズがそれに気づいたのはだいぶ後のことだよ
そうじゃなくて、ウォズはジョブズにあるものを見せたいといって家に呼んだんだ
そのあるものっていうのが、後のAppleⅠになったんだ
AppleⅠ?
名前からして、Appleが一番最初に出したパソコン?
そう、Apple最初の量産型パソコン
パソコンといっても、AppleⅠはモニターやキーボードがないむき出しの基盤だった
その基盤とテレビを接続して、キーボードから入力することでコンピュータとして使用できるというものだよ
えっと...そのAppleⅠってそんなにすごかったの?
簡単に説明すると、当時コンピュータっていうのは高価で超デカいものだったから、企業や大学といった研究機関にしか置いてなかったんだ
それをウォズは、どの家庭にもあるテレビに接続することで、簡単にコンピュータを使うことができる安価な基盤を作ったんだよ
つまり個人でもコンピュータが使えるようになる発明だったってこと?
そういうこと
まぁこれはウォズが第一発明者ってわけじゃなく、とあるコンピュータイベントに参加したときに見た当時最新鋭の個人用コンピュータ「Altair 8800」に大きな影響を受けて作ったものらしい
ウォズのコンピュータを見せられたジョブズには、あるビジョンが映った
「個人が1人1台コンピュータを使う」っていう未来をね
まさに今の世界じゃん
けど当時は個人がコンピュータを使うなんて考える人は誰もいなかった
コンピュータっていうのはエンジニアやマニアが使うもので、一般人は使えないし、使うわけがないっていうのが当時の共通認識だったんだ
どうして誰も個人がコンピュータを使うって考えられなかったの?
当時のコンピュータは起動しても画面には文字列とコードしか映らなかった
だから知識が無いとまったくいじれないんだ
今みたいにアイコンをクリックするとソフトが立ち上がるみたいなシステムは、だいぶ後から登場するんだよね
ドラマとかでハッカーが見てる画面みたいな感じ?
そうそう
まさにそんなイメージ
起業するためウォズを説得
ジョブズはこれを商品化し、早速販売しようとウォズに提案した
けどウォズはこんなの売れるわけないし、お金がもったいないと消極的だった
当時の認識だとそりゃそうだよね
でもジョブズはウォズの動かし方をよく知っていた
「なんでも好きなことができる自分たちの会社さ!」
「こんな面白い経験は一生に一度のチャンスだと思わないか!?」
このジョブズの説得がウォズの心を動かした
ここまで聞いて改めて思ったけど、ジョブズさんの人を動かす力と行動力凄すぎ
ウォズを説得することに成功した後、ジョブズはウォズと資金を集め、いよいよ会社を設立するという段階に入った
そして、会社名をどうするかという話になったんだ
おーいよいよだー
コンピュータの複雑なイメージを、誰にでも親しみやすいイメージに変えるような名前
日常にありふれている、身近でシンプルな名前
そしてジョブズは、ある果物の名前を思いついてウォズに提案した
「Apple」ってね
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